海塩

ASWOTで扱っている二つの海塩をご紹介します。

地中海でできる真っ白な塩は、ゆっくりと結晶するのでピラミッド型(トレミー晶)にできあがります。
大小さまざまな大きさですが、よく見ると小さなお塩も四角錐に結晶しているのががお分かりになると思います。

地中海でできる海塩は余分なものがまざらないため、真っ白なのが特徴です。

また、マルタは一年を通して雨が少なく、夏は太陽が照り付ける乾燥した気候のため、サクサクとした歯触りで大振りな結晶であることが多いです。
かさが大きくてシャープな形ですが、指でも簡単にくだけるほどとても繊細です。
マルタの塩田でお塩を摘むと、重なりあった海塩がシャリシャリと繊細な重なり合う音を立てるほどです。

海塩は岩塩に比べてマグネシウムを多く含むため苦みも感じやすいのですが、ピラミッド型の形状もあって、マルタの海塩はどんなお料理にも合わせやすいくせのない味です。

少量でガツンとしょっぱさを感じるので、ほんの少しを食べる直前に振りかけていただくと、素材の味がグンと引き立ちます。

手づくりの容器も人気です!
陶器の色も全て手塗りなので、同じフレーバーの陶器でも、色の濃さや線の幅などに結構ばらつきがある点をご了承ください。
例えば、普通の海塩が入ったブルーポットには、真っ青な陶器や水色の陶器がありますが、それも味と思っていただけると幸いです。

海塩 ブルー

海塩 レモン

海塩 ガーリック

海塩 チリペッパー

海塩 ローズマリー

海塩 スモーク

ゲランドの塩は、少しくすんだ色をしているのが特徴です。

フランスでは、ゲランドとカマルグの主に二か所で海塩をつくっていてます。
カマルグは地中海に面しているので、同じく地中海でできるマルタの海塩と同じように、真っ白い塩の結晶ができます。
一方、大西洋に面したゲランドでできる海塩は、薄いグレージュっぽい色をしています。
これは、ゲランド周辺の大西洋の海藻などの成分が海水に混じっていることと、塩田が粘土質であることなどによります。

また、とても乾燥した土地でできるマルタの海塩に比べて、少し湿った感じがすると思います。



ゲランドの塩の種類は大きく三つに分類されます。

最も希少なのがFleur de Sel(フルール・ド・セル)で、直訳すると塩の花です。これは塩田にできる塩の結晶の最上部を掬い取った、最上級の海塩です。
フルール・ド・セルと言っても、マルタのフルール・ド・セルはカンカンに照り付ける天日でできる結晶なので大振りですが、フランスは湿った土地でできるので、マルタのフルール・ド・セルと比較すると小さめの結晶になります。

Gros Sel(グロ・セル)は、フルール・ド・セルを摘み取った後の、少し粒の大きい粗塩です。
グロ・セルは野菜やパスタを茹でる時に使ったり、時には食器の洗浄にも使ったりする、日本の一般的に使うお塩のようなポジションの海塩です。ですが、ミネラルやマグネシウムなども含む、旨味のあるお塩なのでお料理に使うとお味がグンとアップします。

海塩を使いやすい大きさに砕いたのが、Sel Fin(セル・ファン)と呼ばれる細塩です。
フルール・ド・セルは歯ごたえがあって希少ですが、時には細かく挽いてある塩の方が適したお料理もありますよね。
そんな時に使いやすいのがセル・ファンです。
均等にお塩を馴染ませたいときや、お料理の味付けをする際に便利です。

アスウォットの扱うゲランドの塩は、こちらのL’Atelier du Sel(アトリエ・デュ・セル)”塩の工房”という名前のメーカーがつくっています。

この工房は、叔父のGilles(ジル) と 甥っ子のMatthieu(マシュー)の二人でつくりました。
彼らは、伝統的な塩の製造法を尊重し、機械を使わず手作業でゲランドの塩をつくっています。

動画を見ていただくと分かる通り、マルタの塩田とは全く規模が違います。
ですから、彼らの塩には面白い種類があります。


それが、「東風の塩」と「西風の塩」です。


大西洋側から吹く風でできた「西風の塩」は、力強く歯ごたえのある海塩で、大陸の奥から吹く熱い乾いた風でできる「東風の塩」は、儚くて繊細な海塩なのだそうです。
最近、フランスの食の業界の専門家やグルメな方々は、その僅かな違いを楽しんで使い分けるのだそうです。
お塩の味の違いは、食材に合わせた時にはっきりと分かるといいますので、グルメな皆さまは是非フランス人にならって食材によって使い分けてみてください。