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ハルヴァとは何か

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Ciao!
ハルヴァというお菓子のお話だよ。

ハルヴァは、日本ではあまり馴染みがないのですが、実はけっこう広域で食べられているお菓子です。

 

ハルヴァがある地域

ハルヴァは中東発祥のお菓子と言われています。
が、中央アジアやインド辺りも同じように、発祥の地とも言われています。

範囲、広っ!
発祥の地で、すでにこの広さです。

ハルヴァの英名はHalvaです。
広い地域で食べられているため、Halawa, Alva, Haleweh, Halava, Helava, Helva, Halwa, Halua, Aluva, Chalva, Chałwaなど、名前が微妙に違いますが、基本的には同じ種類のお菓子のことを指しています。

発祥とされる、中東、中央アジアの他、ロシアや東欧諸国にもありますし、中東の食文化が入り込むヨーロッパや、移民の多いアメリカ大陸でも食べられています。

となると、全世界的なお菓子ですね。
むしろ日本になかったのが不思議なくらいです。

 

 

ハルヴァが知られたきっかけ

日本には入ってこなかったハルヴァですが、どんなお菓子だか食べてみたいと、実はひそかな話題になっています。

恐らくその理由は、『旅行者の朝食』に違いありません。

それがこちら。

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ロシア語の通訳者、作家、テレビのコメンテーターとしても活躍された米原万里さんのエッセー『旅行者の朝食』。
グルメな米原さんの、食にまつわるショートエッセイ集です。

この本の中の「トルコ蜜飴の版図」という章で、HALVA(ハルヴァ)が紹介されているんです。

幼少期をプラハで過ごされた米原さんは、ロシア人のお友達からハルヴァをもらいその美味しさに魅了されました。小学校三年生の秋のことです。

当時の学友たちの間で人気ナンバーワンだったお菓子"Turecky Med"(トルコの蜜)を食べたロシア人友人のイーラが、「これなら、ハルヴァの方が百倍美味しいわ」と言い、モスクワからのお土産にハルヴァを買ってきてくれたのです。

「やっと手に入ったの。一人一口ずつよ。」
こちらが口に含んだのを見てたずねる。
「どう、美味しい?」
美味しいなんでもんじゃない。こんなうまいお菓子、生まれて初めてだ。

それは、蓋に白字で"XAjIBA"(ハルヴァ)と書かれた、丸い青い缶に入った、ベージュ色のペースト状のハルヴァだったそうです。

初めてなのに、たまらなく懐かしい。噛み砕くほどにいろいろなナッツや蜜や神秘的な香辛料の味がわき出てきて混じり合う。こういうのを国際的に通用する美味しさというのか、十五ヵ国ほどの国々からやって来た同級生たちによって、青い缶は一瞬にして空っぽにされた。
たった一口だけ。それだけでわたしはハルヴァに魅了された。ああ、ハルヴァが食べたい。心ゆくまでハルヴァを食べたい。それに、妹や母や父に食べさせたいと思った。
ハルヴァの美味しさをどんなに言葉を尽くして説明してもわかってもらえないのだ。

その後ずっとハルヴァ探しをなさっていた米原さんは、遂に子供の頃食べたハルヴァの味に出会います。

ギリシャ旅行から帰ってきたばかりだという友人のIが、
「米原さんがいつも力説しているハルヴァとかいうお菓子、アテネで見かけたのよ」(中略)
まだ味見していないというIと一緒に一かけらずつちぎって口の中へ運んだ。
「ん?」
無言のまま次の一かけら、次の一かけらと手が自動的に動き、
「ああ、ああ、こんなことならあの店にあったやつ、全部買い占めてくれば良かった」
とIが呻いたときには、ハルヴァは跡形もなく消え失せていた。あの味だった。イーラが食べさせてくれたハルヴァのまぎれもないあの味だった。
「絶品って、こういう味のためにある言葉だったんだ。」
となおも未練がましくIが言った。

さすが米原さん。
この最強の食レポは、ハルヴァに対する妄想をかきたてますね。

LOVE
食べてみたくなる~。

 

 

 

ハルヴァとは何なのか

この妄想をかきたてられるハルヴァは、どんなお菓子なのでしょう。

すっきりバーンとお伝えしたいのですが、正直ハルヴァについて考えれば考えるほど、ハルヴァが何なのかよく分からなくなります。

中東やヨーロッパ、北米で見かけるハルヴァは、ちょっと白っぽいレンガみたいに見える固まりで、中にナッツやドライフルーツが入った、濃厚で甘いお菓子であることが多いです。

私はこれまで、トルコ、UAE、スペイン、フランス、マルタでハルヴァを何種類かずつ食べたことがあります。
色々な種類があって、見た目や原材料もそれぞれ違うので、正直美味しいと思うハルヴァもあれば、あまり美味しくないと思うハルヴァもありました。
それでも、たくさんのお菓子が並ぶ中にあっても、「これはハルヴァだ。」と分かるには分かるつもりでした。

ところが、世界中に存在するハルヴァをまとめて説明しようとすると、これがかなり難しくなります。

分類ということをする時には、共通点を探したり、違っている点を見出して、グループ分けをして概念を作るものだと思います。
食品だったら、原材料であったり、製法であったり、見た目であったり。

例えば、キャンディであれば、

キャンディとは Wikipediaより

砂糖や水飴を主原料として、煮詰めた後に冷し固める。
副原料としてクリームやバター、チョコレート、香料、増粘剤、酸味料などが用いられる。
煮詰めるときの温度により、高温で加熱して硬く仕上げるハードキャンディと、低温で加熱して柔らかく仕上げるソフトキャンディーの2つに大きく分けられる。

分かりやすい!

でも、ハルヴァはバラエティ豊か過ぎて、一つの概念にまとめるのがとても難しいお菓子です。

ハルヴァとは Wikipediaより

穀物、胡麻、野菜、または果物に油脂と砂糖を加えて作られる菓子。
ほとんどのレシピにはバターまたはギーが含まれるが、逆に一部では植物油を使う。
バングラデシュからイランにかけてはプディング状のハルヴァがほとんどだが、それ以西では固形の菓子もハルヴァー(ハルワー)と呼ばれる。プディング状のハルヴァは、バターが入っているため温かいうちに食べるのが一般的である。

日本のお雑煮の違いとか、話にならないくらい、概念のゾーンが広いです。

原材料なんでもあり、形状も色々、で、温かいハルヴァまであるとは。

ほ~
スケールが違うね。さすがワールドワイドなお菓子!

では、どんなハルヴァがあるのか、具体的に見ていきましょう。

 

 

ハルヴァの種類

国名 よく使われる材料 特徴・食べる時
トルコ 小麦粉、バター、ゴマ、アーモンド、クルミ、松の実、砂糖 お祝い事、お葬式
エジプト、サウジアラビア ゴマ、ピスタチオ、チョコレート、クリーム、砂糖
イラン ゴマ、小麦粉、バター、バラ水、アーモンド、ココナツ、蜂蜜、チョコレート、コーヒー、ピスタチオ、ニンジン、ブドウ、サフラン、砂糖 お葬式、お祭り
イラク ナツメヤシの実、パスタ、小麦粉、バター、米粉、ニンジン、砂糖
イスラエル ゴマ、チョコレート、バニラ、砂糖 小麦粉は使わない
オマーン トウモロコシ、ギー(バターオイル)、カルダモン、バラ水、和フラン、卵、ナッツ、砂糖 お祭り、特別な行事
レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナ ゴマ、ピスタチオ、アーモンド、チョコレート、砂糖
その他中東 ゴマ、アンズ、ナツメヤシの実、チーズ、小麦粉、砂糖 固形またはプディング状
アフガニスタン 小麦粉、米粉、ニンジン、ビーツ、ナッツ、砂糖 お葬式、願いがかなったとき、巡礼から帰った時
アゼルバイジャン ゴマ、スパイス、ナッツ、サフラン、ニンジン、ビーツ、栗、砂糖
タジキスタン、ウズベキスタン ゴマ、卵白、砂糖
北アフリカ ゴマ、桃、リンゴ、レーズン、メロン、バター、蜂蜜、クスクス、ココナツ、砂糖
ソマリア トウモロコシ、カルダモン、ナツメグ、ギー、ピーナッツ、砂糖 結婚式、特別な行事
ギリシャ ゴマ、小麦粉、リンゴ、バター、トウモロコシ、オリーブオイル、ナッツ、チーズ、卵、砂糖 四旬節、お葬式
キプロス ゴマ、小麦粉、バニラ、アーモンド、ピーナッツ、カカオ、砂糖
クロアチア ゴマ、ヒマワリの種、砂糖
リトアニア、ラトビア、エストニア ヒマワリの種、ピーナッツ、砂糖
マケドニア ゴマ、ヒマワリの種、小麦粉、ココア、ピーナッツ、チョコレート、砂糖
マルタ ゴマ、アーモンド、ピーナッツ、砂糖 結婚式、パーティー、四旬節
バングラデシュ 小麦粉、アーモンド、ニンジン、パパイヤ、豆、瓜、卵、肉、砂糖
インド 小麦粉、ひよこ豆、カシューナッツ、バナナ、ギー、デーツ、ココナツ、パイナップル、ニンジン、米、ジャックフルーツ、瓜、カボチャ、山芋、冬瓜、砂糖 お祭り、結婚式、パーティー、特別な行事
ミャンマー 小麦粉、ケシの種、砂糖
ウイグル 小麦粉、羊の脂、砂糖
スリランカ 米粉、ジャガイモ、砂糖、糖蜜、カシューナッツ 新年のお祭り
ルーマニア、モルドバ ヒマワリの種、ピスタチオ、アーモンド、チョコレート、砂糖
ロシア、東欧 ゴマ、ヒマワリの種、砂糖、チョコレート
ウクライナ ヒマワリの種、ヒマワリ油、バニラ、レーズン、チョコレート、砂糖
南米 ゴマ、ピーナッツバター

ざっくりとまとめてみました。
色々な種類があるので、かなり大まかなものです。

地域によってかなり違うので、本当にこれはハルヴァなのだろうかと思えるものもありますね。

でも、なんとなく、ハルヴァって、

「ゴマ、穀物、ヒマワリの種をベースに、ナッツやチョコレート、果物や野菜などを入れた、砂糖や蜂蜜を使ってつくる、固形またはプディング状の甘いお菓子」で、特にお祭りや結婚式、お葬式などの特別な日のお菓子としても食べられるもの。

と言えそうです。

 

 

日本のお菓子との違いは

日本のお菓子で、どちらかというと近いのは、お砂糖を使ったお菓子の、落雁や和三盆ではないでしょうか。

ハルヴァの種類によっては、食感や味が近いものがあると思います。

ですが、おそらく最たる違いは、油脂を含むか含まないかではないかと思います。
ギー(バターオイル)やオリーブオイルを使っているハルヴァもありますが、全く油脂を入れないものでも、ゴマやヒマワリの種といった、脂肪分を含む材料を使っています。

脂肪分によって、食べた時に濃厚さを感じるのではないでしょうか。

う~ん
そういえば、日本のお菓子はシンプルな甘さですね。

 

 

まとめ

米原万里さんの愛したハルヴァ。

紀元前からつくられ、今も世界の多くの国で食べられています。
素朴な原材料を使ったお菓子なので、食べると、初めてなのに懐かしい味がすると思います。

あまりに広域に、それぞれの郷土のお菓子として存在するので、多種多様過ぎてハルヴァがなんなのか、若干分かりづらいお菓子でもあります。

でも、旅行のついでに、My best Halvaを探す楽しみができそうです。

にやり
ハルヴァを通して、その土地の歴史や特性にも触れることができるかもしれませんね。 以上です。

 

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